「4 物件の占有状況等に関する特記事項」欄について

「4 物件の占有状況等に関する特記事項」欄は、所有者及び所有者に準じる者の占有状況、第三者占有の場合の占有権原、状況等が記載されます。

 

この欄は、現実の占有の状況及びその占有の根拠が 買受人が負担することとなる他人の権利とは認められない、と 執行裁判所が判断した内容を記載したものです。

 

この欄に記載された占有者は、原則として、引渡命令の対象となります。

 

占有者が変わった場合、差押後の占有者として引渡命令の対象となります。

注) 以下の文言が記載された物件は、初心者にはお勧めできません。

・○○が占有している。同人は所有権を主張している。・・・場合によっては、訴訟(所有権争い)までいく場合もあります。パスした方が無難。

・○○が占有している。同人は実行された抵当権以外の債務者である。・・・引渡命令の相手方とならない可能性があります。

・○○が占有している。同人の賃借権は、正常なものとは認められない。・・・引渡命令の相手方となりますが、トラブルの可能性があります。パスした方が無難。

・占有者は不明である。占有者の占有権原は買受人に対抗できない。・・・執行官が職権で調査して不明ですから、スムーズには運ばない可能性が高いでしょう。パスした方が無難。

・氏名不詳者が占有している。同人の占有は差押に後れる。・・・執行官が職権で調査して不明ですから、スムーズには運ばない可能性が高いでしょう。パスした方が無難。

・氏名不詳者が占有している。同人の占有権原は買受人に対抗できない。・・・執行官が職権で調査して不明ですから、スムーズには運ばない可能性が高いでしょう。パスした方が無難。

・○○が占有している。同人が留置権を主張するが認められない。・・・長引く可能性があります。スムーズに運ばない可能性があります。パスした方が無難。

・○○が占有している。同人が改装費(又は修繕費、造作費)を支出した旨主張している。・・・長引く可能性があります。スムーズに運ばない可能性があります。パスした方が無難。

・○○が占有している。同人が改装費(又は修繕費、造作費)を支出した旨主張している。売却基準価額は上記改装費(又は修繕費等)を考慮して定めた。・・・占有者は、まともな普通人かもしれませんが、チェックの要あり。引渡命令は、改装費等の提供を交換条件とするかも・・。

・本件土地上に、売却対象外建物(家屋番号○番)が存在する。

・○○が占有している。同人の占有権原は使用借権と認められる。同人所有の売却対象外建物(家屋番号○番)が本件土地上に存在する。

・○○が占有している。同人の賃借権は抵当権に後れ、その期間が5年を超える。同人所有の売却対象外建物(家屋番号○番)が本件土地上に存在する。