1、チョットした注意事項

(1)、現在の賃貸市場

収益物件の選定は、「現段階では非常に難しい。」というのが正直な所です。 

数字の上だけですが、都会では 住宅の供給戸数が需要を上回ってます。 

更に、大手企業(D東亜建太くん、旧姓陣内パレス 等)が賃貸市場にレベルの高い自社物件を提供しています。 

戸数はドンドン増えています。留まることを知りません!

別の業界の例えですが 流通市場では、個人商店が、スーパー・コンビニに追いまくられています。

個人店主の集合体の商店街が、閉店街になりつつあります。 

不動産賃貸市場も、同じような傾向が見られます。

そこを念頭において、収益物件を検討されて下さい。

(2)、現地調査での諸注意

収益物件の現地調査では、三点セットの内容と違っている場合があります。 

よくあるのが 「空室が増えている」のです。

普通 賃借人が、「今借りている部屋が競売になった」と聞いて、退去してしまいます。 

なので 1棟の物件でしたら、電気メーターが回っているか、1軒1軒確認する事です。

或いは、外から見て「空室かどうか?」見て分るかもしれません。 

賃借人がいれば、そのまま賃貸契約を継続すればいいですが、空室の場合、リフォーム費用が発生します。1軒1軒、確認することは、慣れませんと落ち着いてそのような行動をなかなか取れないようです。 

でも、心配は要りません。 

昼間は大抵外出していますので、留守が大半です。 

物件に、業者名入りの看板が貼っている場合があります。電話番号は控えておいてください。

但し、電話するのは善し悪しです。電話するなり訪問するなりして、状況を聞く場合は、こういう言い方をすれば、大半の業者は親切に教えてくれます。

「競売で入札を検討しています。落札できたら、管理はお願いしたいと思っています。家賃の滞納などはありませんか?」 

ただ、その業者自身が入札を検討しているかも知れません。その場合は、入札を見合わせるような、ガセ情報が流されるかも・・・? 

建物は、大抵汚れている場合が多いです。もし知っている建築業者がいれば、リフォームの見積りをしてもらうのも良いですね。

中古物件の購入です。思いがけない出費が必ずある、と思っていたほうがいいです。 

以前、地方のアパートを落札された方は、こんな出費がありました。そのアパートは、浄化槽の汲み取りを何年もやっていませんでした。その費用ですが、¥10数万余分にかかってしまった、との事でした。(ヒェ~)

(3)、入札価格の決め方・・一つの考え方

今、収益物件は人気の的です。

競売でも、相当に高額で落札されています。ノウハウ本記載の通りに利回りを計算しての入札は、中々落札できません。

その著者が競売物件を購入していた時期と今とでは状況が違っています。残念ながら常識的な数字では、まず、落札は困難です。 

そうはいっても、「はい、そうですか」とは認めたくない筈ですよネ。何度か、常識的な数字で入札してみて下さい。やっぱりだめだ、と実感します。

そうしたら、思い切った大胆な数字で入札するか、競売市場が落ち着くまで暫く模様眺めをするか、その間に任意の売り物でいいものがあれば検討する、というのも一法かも知れません。

何時までも、過熱状態の競売市場が続くわけがありません。その時を待つのも良いかも、です。

◎思い切った方法 

①、まず、購入年度は出費がかかるものだ、と割り切って下さい。 

②、空室があっても、満室時を想定、賃料の年間合計額を算出して下さい。(賃料がバラバラの場合は、一番低い額で計算して下さい。)

③、合計賃料を、一定の利回りで割った金額で入札します。(一定の利回りとは、ご自身の希望する利回り。)

 

しかしこれは、乱暴な方法です。現状で落札しようとした場合、残念ながら、このような方法しかありません。

 

1点追記しておきます。物件が1棟売りの場合、地形を良く見てください。建物が老朽化した時、更地として売れる地形かどうか、ポイントです。 

色々な考え方のある所ですので、断言はできませんが 売りやすい地形の場合は、その分強気の入札価格を設定しても安心です。