(5)、 法定地上権付建物の場合

建物のみが競売となり、物件明細書では「売却対象外の土地(地番○番)につき、本件建物のために法定地上権成立」という記載がある場合です。

売却対象外の土地とは、建物の敷地です。競売で、土地・建物の所有者が異なった時、一定の要件のもと、建物には、敷地利用権としての地上権が設定されたものと見なされます。 

これを、法定地上権といいます(民法388条)。地代につきましては、当事者間の話合で決定します。

話合がつかなければ、裁判所に申立てて、決めてもらいます。なお 法定地上権の契約期間は、30年です。非常に強い権利です。土地所有者の承諾なしで、建物を第三者に譲渡できます。

このケースは、競売を申立てた銀行等の借金が、土地・建物をまとめて売却する程の金額でない場合に起こります。「取下げ」の可能性が高いです。任意売却のお話が進行中かもしれません。

土地と建物の所有者は同じです。建物を落札して明渡しを求める場合、出来れば話合いで解決したいものです。地代や範囲を決める交渉が待っています。或は、底地の売却の問題もあります。

できれば、事前に所有者に会っておきましょう。 

只、問題は相手次第ということなんですよ。 

私がお会いした債務者兼所有者は、全くこちらの意向を聞きません。 

転居などもってのほかとばかり、一切話をしません。強制執行の断行の際にも、スコップで殴りかかってきました。法定地上権付建物の場合、正直 弁護士や業者にコンサルをうけた方がいいでしょう。